einde van de droom

感想など。

人物環境

オトナの土ドラ『火の粉』第1話を観た。同ドラマは、伝統的とも言える昼ドラ枠を深夜帯に移動した新しいドラマ枠「オトナの土ドラ」第一作。主演はユースケ・サンタマリアと優香。優香に関しては、昨季の『火村英生の推理』にも出演(局が違うが)。クールめな女性刑事役だったが、影のあるあの雰囲気は今作にも引き継がれているように感じる。
で、キャストの話ではなくて、ドラマの内容。今記事のタイトルにある、人物を取り巻く環境だ。これまで昼ドラを全然観たことがないのでどういうものか分からなかったが、人物一人がかなり濃い。
例えばユースケの役は、とある一家惨殺事件の元容疑者。死刑から一転、無罪判決を受けたもののその後も疑い続ける記者に追われ、逃れるために優香含む一家の隣に引っ越してきた。優香側一家への挨拶はお土産いっぱいと妙に手厚いユースケ。この奇妙さを裏付けるように、優香側一家にはユースケに無罪の判決を下した裁判官がいた(優香の役の義理の父)。

環境と言うよりは、情報量と言えるかもしれない。一人に対する情報量の多さが見所。ただ、その情報に関わる人間が近くにいなければ明らかにならず、周囲の人間との関係に干渉しない。単に、活かすための設定でなければ無意味だと言うことではある。今作に限ったことではない。創作としては基本的なこと。
特記すべきは、その情報内で明らかになっていない部分、謎だ。今作の場合、例えば一家惨殺の元容疑者である点。その一家惨殺の犯人なのか、冤罪であったのかは未だ明らかになっていない。しかし、仮に犯人であったとすれば? その疑いを抱く人物こそが優香の演じる役。先述したユースケの役の設定においても、優香側一家の中に裁判官がいたのは偶然のように振る舞う。それが怪しさを感じさせる。
逆に、犯人でないとすれば? ただの気さくで優しい隣人。優香側一家の人間たちはそう感じている。あの人が殺人犯なわけがない、あの人を疑うのか?
確かな証拠がない。犯人だとも、犯人じゃないとも言いきれない。疑う優香のもとに現れたのは、ユースケを追っていた記者(佐藤隆太)。アイツは犯人だ、あなた方一家に何かあってからでは遅い……。警告する存在であると同時に、それらの発言にも根拠がない。
この記者は何を握っているのか?
優香の役の義理の母の話は、自分の語彙力では説明不可能なので省略。犯人でないことを信じているようであるが、義理の母の義理の母(義理の父の母)死亡の一件から完全に信じているようでもなくなった様子?
今後も目が離せない、確実に無難では終わらない人間関係。そして真実は如何に。